【剣盾 ネタバレ】愚痴 【ポケモン】

ポケモン剣盾をようやっとクリアしたので。
当方第5世代あたりから購入前は事前情報なしで、購入後は戦闘民族としてプレイしてきたので、
SNSにてデザインやモデリングやその他クソ要素について多少なり耳には入って来てはいたが、戦闘にさえ関わらないなら全く問題ないかなと思っていた。
例えばBW発売当時話題となったダゲキ/ナゲキも、確かにデザインは最悪だがそういったポケモンはストーリーでは使わなければ良いし、レートで強いならどんなデザインでも使うと割り切れていた。
が上記に書いたような内容を除いても、今作のストーリーと演出だけであまりにも大きなダメージを受けたのでここに吐露。
以下は完全な剣盾ストーリーのネタバレと愚痴しかありません。



スタート~
なんやかんやで新作のポケモンなのでとてもテンションが上がっていた。
ピカブイ(未購入)で見たポケモンシンボルエンカウント方式や、新ポケモンが多く出る初期草むらに大興奮。
確かにSNSで言われていた通り、Switchの画質としては全く褒められたものではないしカメラも回せないしポケモンは地面から湧く。
が、それでも3DSよりは大幅な進歩だ。マイナス要素とはならない。
ただ今後最も関わりが多いであろうライバルのホップが、ひたすらSMハウのモーションを取り続けることに一抹の不安こそあったが、楽しさが全面に出ていた。

まどろみの森で初の負けイベ。ポケモンでこういった「Aボタンを押すだけでそれ以外の行動を許さない」という動作の強要が出てきたことに非常に驚いた記憶がある。
パケ伝説が出現してどう今後のストーリーに関わってくるかワクワクしている中、脈絡なくダイマックス用アイテム「ねがいぼし」を手に入れて若干困惑するも、
ピカブイ同様対象年齢を下げているならこれもありかと納得。


~ワイルドエリア
ワイルドエリアに到着。初のダイマックスで大きくなったポケモンや、高レベルのポケモン達との遭遇に自然と笑みが零れる。
ダイマックスはどうやって使うか習ってないとか細かいことには目をつむることにする。

ワイルドエリアの草むらから出るポケモンたちはとても良い。天候/時間/エリアで旧作ポケモン達を数多く出現させることで、ストーリー側での新ポケモンの密度を増やすことができるし、この広さとカメラを動かせることによる没入感によってコレクター気質の人はここで長い時間遊べるし、何より自分の旅に連れていけるポケモンの選択肢がグッと増えるのが良い。
難易度の調整もとても良かった。ストーリー中ならいつ来ても手ごたえがあり、あらゆる種類のポケモン達と会うことができるのは次作以降でも是非取り入れて欲しい要素だと思った。
その反面、レイドはソロですら何度もやっているとゲームバランスを著しく崩すほどの調整不足。少ない要素の割に報酬が大きすぎるのだ。
それを差し引いてもストーリー中に来るだけならば、ここは本当に楽しい。

そしてポケモン剣盾で楽しい要素はここで終わる。以降はかなり長い事「無」だ。


~チャンピオンカップ勝戦
今作は歴代の中で最もストーリーが薄い。
それでも何とかボリュームを盛ろうとした結果か、ホップ、ソニアがドラゴンボールZの前回回想の如く合間合間で前回とほぼ同じ内容を話すため、「イベントがあった」という記憶はあっても「何を話したか」まで思い出すことができない。
というかバッジ全部集めてチャンピオンカップ勝戦に進むまでは
    1.ホップが次のジムに行く
    2.エール団が道をふさいでいるので倒す
    3.ジムバッジを取得する
    4.ソニアが何か発言する
    5.ホップと戦う
    6.1に戻る
これだけだ。そして寄り道は不可能と来た。
エール団が道を塞ぐ理由も無に属する、そしてそれ以外何もしない。ご都合主義団。
ジムは後半になるほど雑で、初見に対し時間稼ぎとしか思えないデザインによるイラつきがあり、(例を挙げると格闘ジムのパンチングマシーン。1度目は行き先もパンチ力も見えないので選択の余地が無い。)
ソニアは始めから最後まで剣、盾、ブラックナイトの3語しか語彙がないので、後半に進むほど「何か喋ってるな」以上の感想が無くなった。
ホップは… なんかあらゆるトレーナーに負けてた。
主人公にできることはあらゆる場面で出てくる全く無意味な選択肢を押すだけ。

そのため必然的に上記に関わらないビート、そしてSMのエーテル財団のように裏で暗躍しているであろう悪の組織のどちらかに目が行くのだが、
・ビートは突然あり得ない気の狂い方をして退場
・悪の組織は初期からどこまでも情報が増えない。(それ以上無い為)
あんまりだ

でもここまでならワイルドエリアで稼いだ楽しさが無で薄まっただけ。
そもそもポケモンとの旅が楽しいのでストーリーは無くても大丈夫。
どっかで伝説が出て大団円に持ち込めば満足感は残るはずと、そう思っていた。


ローズタワー~
新展開の幕開けを告げる、ローズタワーに行かせないための時間稼ぎ。
バトルに負けたのに鍵を渡してくれないトレーナーに、3回ウォーリーを探せを強要され、4回戦う。
この辺から感情が無から絶望へと向かう。

そもそもローズタワーに行く理由が、
「兄貴は委員長と会議があるから先ご飯食べてて」とネズから面と向かって伝言を伝えられたのにホップが信じないため、
委員長の企業のガードマン全員ぶったおして会社員も秘書も全部薙ぎ払って兄貴に会いに行くという訳のわからんもの。
なんで?電車の中で弄ってたスマホは?

実際に到着しても兄貴は委員長と会議やってるし、ホップは委員長が悪い一点張り。
そして委員長は完全電波。
ダンデは「明日は試合だし明後日にしてくれ」、委員長は「1000年後を憂えばすぐがイイ。だから明日がイイ」。なんだよこの会話。

100歩譲ってこの電波の言うことが正しいとして、ここに例えば彗星の影響だとか伝説と絡めて必ず「明日」でなければいけない強い理由が…多分ない。
願い星の集めすぎなら使わなければ良いし、実は手遅れというなら明日がイイじゃなくて今すぐ援助を求めるべき。
そしてそれすら説明しない、態度に出ない、伏線が描写されてきていないとなると、明日である必要性は上記のどれでもない。
ならば明日でなく、今でも明後日でもいいだろ。

翌日の決勝戦、チャンピオンとの試合直前に委員長のプラントが暴走。
「ブラックナイト始めたら制御できなくて暴走しちゃった!
でも今日やっていいって承諾しなかったダンデが悪いよね!」(←??????????)
とモニタで観客にプレゼンしてサッカー場地下の超巨大プラント(1部屋)で案山子と化す

全ての責任を負ってチャンピオンのダンテはこれに立ち向かう。
で、ホップと主人公はダンテを助けるため独断で伝説のポケモンを探しに行くことに。
え、今から行くんですか?

まどろみの森につくと最序盤で見た伝説ポケモンが出て帰っていく。
ホップはその辺に落ちてた小汚い剣と盾を拾って勝利を確信(なぜ?)。兄貴の元に戻ろうと提案する。
目の前で災厄が起こってダンテが走って向かって行ったのに、自分たちは一度逃げ出して平和な村の風景を堪能した後に長い長い一本道を通って伝説のポケモンの横を素通り。
その後ゴミにしか見えない物を拾って戻るという長ーい手順を踏んだためか、そのころには全く緊張感が無くなってしまっていた。

戻ると秘書さんに委員長を助けて欲しいとお願いされる。
のでダンデは大丈夫(根拠なし)だから放置して地下プラントへ。
地下で待っていたのは10秒先に突入したため委員長に敗北したホップだった。

この辺で本当にキツかったのが、ポケモンバトルが無意味であることだった。
遊戯王のデュエルと同じく、ポケモンバトルは単に戦うというだけでなくコミュニケーションとしての側面を強く持ち、
意見/思想/立場が違う相手に自分をぶつける手段でもあると思っていた。
だからこそ、悪の組織側には「ポケモンは道具」を始めとした道徳的によろしくない思想があり、
それを打ち破るカタルシスに加えて、ポケモンとの絆の強調、また主人公と悪役の心でコミュニケーションを取り、互いの感情と理屈を理解するといった、チープでも世界の根幹をなす部分があったと、そう思っていた。
「勝負に負けたから和解して"それ"を止める。」これは徹底していたと。

逆に言えば「負けたけどだから何?」と言われてしまうと、じゃあリアルファイト勃発だし、どうにもならなくなってしまう。
上記のローズタワーでの鬼ごっこもこれに近い。負けたら鍵を渡してくれ。

閑話休題
今回のリーグ委員長は「やることはもう終わった」という状態でただ立っているだけであり、なぜか主人公はこれに突っ込んでいくムーブを取る。
その上で「やっぱりバトルは楽しいね」などと戦闘後に言われるので、不快を通り越してため息しか出なくなる。
委員長の心はバトル前も後も変わらないし、こちらに協力する気も一切ないと通告されたように自分は感じた。

委員長を助けるもクソもなくなったのでようやっとダンデの元へ。
全く盛り上がらない負けイベを挟んだ後、レイドバトルに伝説が乱入してきて勝ち確定試合に。
このころには完全に心が醒め切っており、ただひたすらキツイと思いながら、自動で攻撃してくれる伝説2体+ホップ+主人公の4対1で「Aボタンを押すだけでそれ以外の行動を許さない」ラストバトルをプレイしていた。何があろうとAボタンを押していれば勝てる。
そのため今作もUSUMと同じように無意味選択肢とイベントは暗転祭りだったなとか、自転車で走ると描画が追い付かなくて処理落ちするなとか、どうしようもない点を数分かけて振り返ることができた。

その後は、
委員長はなんか自首した!委員長の仕事は全てダンデが引き継いだ!
主人公は新しいチャンピオンとなってオールオッケー!って感じで終わる。


初代からポケモンをプレイしていて初めて後味が悪い。と感じられた一作だった。
今まで触れていなかったが、BGMは最初から最後まで本当に最高だった。
バッジを集めきるまでは(過去作に比べて異様に短いうえ、事実上寄り道不可であったが)未知のエリアを歩くことが楽しいので、ストーリーの薄さを多少は無視できる。
更にはホップ以外のネームドトレーナーのモデリングとモーションには異様とも言える力が入っており、それらはプレイヤーを飽きさせない。
ただそれら全てのプラス要素がストーリー後半の酷さを引き立たせていることにしかならなかったのが本当に残念でならない。
大団円と投げっぱなしは違うのだ。

ついては読めない言語でスタートして、着せ替えとスクショを中心とした遊びなら最後まで楽しくプレイできると思う。
ぶっちゃけそれならガールズモードでも買った方がいいですけど。


自分はポケモンの世界観に対して世代ごとに構成される地方の特色や、既に完成された人間キャラクターの設定をあまり重視するのではなく、
メインシナリオには出会ったポケモン達との絆と冒険の話を中心に、まっすぐさで巨悪を説得してポケモン達と共存する世界を守るというテーマそのものに重きを置いていた人間だったと気付き、それ故に楽しめなかった。それだけです。



クリア後のおまけストーリーによって発生した新たな矛盾と愚痴(ホップ君に関わる内容だけを上手く抜き出せれば正直好きになれそうな部分があったので、あの2人やレイドをひっくるめて噛み砕いて本筋に絡めろとかも含む)、
ランクバトルの仕様、育成の仕様、視界と広さと段差と天候が織り成すワイルドエリアの問題点、
そしてあらゆる要素に絡むマックスレイドバトルについて詳しい仕様を書き始めると愚痴がこれの50倍は長くなるのでやめておく。

以上